「……告白してくれた子にこんなこと言わせるなんて最低だよ?」
「……わかってるよ」
そんなこと、言われなくたってわかっている。
酷い振り方をしたことも、雪岡にだけ冷たく当たることも、どんな理由があったって俺が悪いんだってこと。
「……どうして梨音のこと、振ったの?
梨音に対する水無月くんの態度、あたしには好きな子を意識しすぎちゃって空回ってるようにしか見えないけど」
さらっとそんなことを言った吉倉は、俺の手を掴むと強引に雪岡の手を握らせた。
その行動の意味が分からなくて戸惑ったまま吉倉を見れば、にっこりと笑顔を向けられる。
「……水無月くんが梨音に冷たくあたるのには、何か理由があるんだよね?それは見ていてなんとなくわかったよ。
……でもね、あたしはやっぱり梨音の味方なの。梨音に幸せになってほしいの。こんなにいい子いないよ?
一緒にいたら、絶対好きになっちゃうんだから。
だから、水無月くんを悩ませてるいろんな面倒なことなんて全部気にならなくなるくらい、梨音のこと好きになればいいよ」