「だいじょぶー!えへへ……、このみちゃーん」


心なしかいつもより甘い声でなんだか楽しそうに吉倉を呼んだ雪岡は、隣に座っていた吉倉の方に身体の向きを変えると、そのままがばっと抱きついた。


「やだもう、梨音可愛い!……ていうかもしかしなくても酔っ払ってない?」


抱きつく雪岡をぎゅっと抱きしめ返しながらも首を傾げた吉倉の言葉に、ハッとする。


「……もしかしてこれ、アルコール入り!?」


さっきからハイペースでチョコレートを口に放っていた雪岡。


彼女の食べていたチョコレートの包みを見ると、予想通りだった。


「え、こういうチョコでも酔っぱらうの!?」


雪岡に抱きつかれたまま、驚いたような声を上げた吉倉。


「や、知らないけどさ……、雪岡が弱いだけかもしれないし」


「このみちゃん、すきー」


「……どうしよう、梨音が可愛すぎて惚れそう」


吉倉が真顔でそんなことを言うから、本気かと思ってしまう。


……その言葉にどうしてか慌てたのは、友哉だった。