ため息と共に吐き出された、容赦ないその言葉が、ザックリ心を突き刺した。


息が詰まって、何も言えない。



「話って、それだけ?……じゃあ、もういいよな」



ひらり。



何のためらいもなく身を翻し、夕焼けの中に消えていく彼を、私は何も言えずに見送っていた。



呆然として何も言えなかったのは、3年前の私と同じで。


だけど、心が痛いと泣いている。


それだけで、これが過去の思い出ではなくまぎれもない今の出来事なのだと、思い知らされた。




あんただけは無い、なんて……。



「……そんな、言い方……」



生まれて初めての告白は。


痛くて苦い、失恋だった。



重なっていたはずの、水無月くんに対する好きの想いに、一気にヒビが入って。


たくさん重なっていた分だけ、そのヒビが、痛かった。



「……うぅ……」



堪えていた嗚咽が、零れる。


さっきまで綺麗だと思っていた夕焼けが、途端に涙で滲んでぼやけて見えた。