……やっぱり、3年も前のことを覚えてるのなんて、私だけだよね……。


水無月くんが覚えていないとなると、余計に言い辛くて、私はぐっと唇をかんだ。


いいよ。


水無月くんが覚えてなくたって、私が覚えてるもん。


それに、あの言葉は好きになるきっかけにすぎない。


私が水無月くんのことを好きだって思うのは、今の彼に惹かれたからだ。



「……好きです」



私は、まっすぐに水無月くんを見上げて、言った。


生まれて初めての、告白だった。


私の言葉に、水無月くんは、一瞬驚いたように目を見開く。



「え」



微かに、彼の唇からそんな声が零れた。


戸惑ってる、そう思ったのは、その瞬間だけだった。




瞬きをした、次の瞬間にはもう、彼の表情は曇っていた。


……ううん。


心底嫌そうに、歪んでいた。



「……悪いけど、あんただけは無いわ」