な、なに……?
頭から爪先まで値踏みするように視線を滑らされて、なんだか居心地が悪い。
早くここから逃げ出したくなったけれど、ぶつかってしまった手前そうすることもできなくて、その視線にただ耐えるしかなかった。
無意識のうちに、短い丈を引きのばそうとでもするかのように、両手でスカートの裾をキュッと押さえていた。
「ねぇ、君、よかったらこのまま俺らと学祭まわらない?」
男子生徒がそう言って、私の方に一歩近づいてきた。
もうひとりのほうを見れば、「またか」とでも言いたげな顔で呆れたようにしていたけれど、口を挟もうという気はないようだった。
「あ、あの、でも」
「いいじゃん。ね?」
ズイッと更に身体を近づけられて、思わず一歩後ずさる。
ど、どうしてこんなことになってるの?
このみちゃんみたいに可愛いならともかく、カフェの衣装も似合ってないような私なんかを誘ったって何の得もないのに……。