校舎の中心から端に行くにつれてだんだん人気がなくなっていくのは、人が集まりやすい飲食系のクラスは入口近くの教室や、外の出店に集中しているから。
キラキラした華やかな空気から、クラスや部活の展示が主になってくるとだんだん落ち着いた雰囲気になっていく。
「……?」
ひたすら着替えの教室に向けて歩みを進めていた私が思わず立ち止ったのは、そんな、キラキラした賑やかさをもうすぐ抜けようか、というところだった。
……次。
目の前の角を曲がったら、展示中心の静かな教室が並ぶ。
それを抜けたら、いよいよ目的地である着替え部屋だ。
だから早く行きたいのに、立ち止まってしまったのは。
「……好きです」
そんな、緊張したような女の子の声が耳に届いたから────。
こ、こんな場所で告白!?
なんて、生まれて初めて他人の告白シーンに出くわしてしまったことに、無関係の立場にもかかわらず心臓がドクンと鳴った。
え、どうしよう。
これ、聞かない方がいいよね?
わざとじゃないとは言っても、人の告白の盗み聞きなんて……。
は、早く退散しなきゃ。
……そう思って、くるりと方向転換した瞬間。