「……い、行こ、梨音」


「え!?あ、うん」


突然の出来事に頭がついていけないまま、このみちゃんの後に続いて厨房に入る。


「あ、次ふたりの番?じゃああとよろしくね」


と、前のシフトに入っていたふたりが教室から出ていくと、このみちゃんが「はあああ」と大きく息を吐き出してしゃがみ込んでしまった。



「こ、このみちゃんっ!?」


「ううう」


「え、どうしたの!?体調悪い?」


さっきまであんなに元気だったのに!


私がこのみちゃんに合わせてしゃがむと、このみちゃんの耳が真っ赤だということに気付いた。


「このみちゃん、耳、赤くなってるよ!熱あるんじゃない!?大変、保健室……」


「えっ!?違うよ!!違うから!!」

バッと立ち上がった私の手首を、このみちゃんが慌てたように掴んだ。


「……このみちゃん、顔も赤い」


「……うん、そうだよね。梨音に分かりやすいとか言ってる場合じゃないよね……」


「……?」