私が「どうしたの」と訊くのを遮るように、このみちゃんが大きな声でそう言うと、バッと抱きついていた身体を離した。
ここは1年女子の着替え用にあてがわれた部屋。
ここからカフェのある教室までは結構遠いから、余裕を持って行かないとシフトに遅れてしまう。
「ほらほら、早くジャージ脱いで」
「え、ちょ、きゃあっ!」
無理やりこのみちゃんにジャージを脱がされ、ポイッと脱がせたジャージも私の荷物の上に投げ置いて。
「さ、行くよー!」
と元気よく私の手を取るこのみちゃんに、私はその勢いに圧倒されるまま、ついていくしかなかったのだった。
「ううう。足、スースーする……」
「あはは、梨音ったら、何初めてスカート履いた男子みたいなこと言ってんの」
「だってーー」
このみちゃんは私とは違って、背は高くないけどスタイルいいっていうか、バランスがいいっていうか……。