「……梨音のそういうわかりやすいとこ、すごく好き」
「えええ」
やっぱりこのみちゃんにも分かるくらいに顔、赤くなってるんだ!と、更に恥ずかしくなって両の掌で頬を抑えた。
すると、可笑しそうにクスッと笑われてしまう。
「本当に可愛いんだから、もうーーっ」
そう言って、ぎゅっと不意に抱きついてきたこのみちゃんを受け止めながら、
「こ、このみちゃんの方がずっと可愛いよ」
と言い返せば、「あたしが可愛げないのは分かってるから大丈夫っ」とまた笑われる。
その笑みはどこか儚げで、気のせいかもしれないけど……自嘲しているように聞こえてびっくりしてしまった。
「このみちゃん?どう」
「わああ、梨音、もうこんな時間!シフトまであと10分しかないよ!行こう」