痛みなのか、ドキドキなのか、よくわからない。


最近の水無月くんは、私には全然理解できない。


私のことが嫌いなはずなのに、どうしてあんな目で見てきたりするんだろう。


前よりずっと、水無月くんと目が合うことが多くなった。


だけど、不意にぶつかる視線を逸らすのはいつも私のほう。

前は不自然なくらい私を視界に入れてくれないことが嫌だったのに、傷付いていたのに、どうしてか今はあんなに欲しかった水無月くんの視線から逃げなきゃいけないような気持ちに駆られてしまう。


ぶつかった水無月くんの視線が、まるで心まで絡め取ろうとするみたいに強く、熱く感じてしまうんだ。


このままじゃ、変な期待をしてしまいそうで。


諦めるって決めたのに、胸に燻る恋が、いつまでも消えてくれない気がして。


もっと好きになって、またあんなふうに振られたら。


……そしたら絶対、前よりもずっと傷付くから。


もうこれ以上好きにならないように、自分で予防線を張っているのかもしれない。



……なんて。


水無月くんの視線が私に強く向いてるなんて、それが好意かもしれないなんて。


……そんなはず、ないのにね。


きっと私の勘違いだよね。