相変わらず、どこか遠慮したように、控えめな視線を向けてくる雪岡。


……それが上目遣いに見えるとか、どんだけ頭煮えてんだよ俺。


本気で頭どうかしたんじゃねーのか俺。



「や……、いいよ。大丈夫だって。……行こう」


そう言ってくるりと方向転換をした瞬間。


少しだけ、カゴが軽くなった気がした。



「……」


……思わず振り向けば、雪岡は困ったように笑っていた。


カゴの中にあったはずの、2リットルペットボトルを胸の前で2本抱きしめるように持ちながら。



「……大丈夫だって言ってんじゃん」


「……持ったらダメですか?」


「……ダメってわけじゃないけどさ」