そんなやりとりを楽しむような表情を見せていた吉倉が、あははと笑い、
「いいじゃん、文化祭終われば打ち上げだってあるんだし、一緒にご飯なんてそんなに珍しいことでもないでしょ」
と言うと、隣にいた雪岡の手を掴み、先頭を切って歩き出した。
それを合図に、ぞろぞろと皆で歩き出す。
「でも打ち上げってクラスでもあるじゃん?そしたら文化祭終わってすぐだと全員出るの厳しくない?」
「ダメダメ、そういうのはすぐやらないと!頑張ってクラスの方抜けてきてねってことで」
「ええええ、このみん、厳しい!」
今日の買い出しは、学校の近くの大きなスーパーマーケット。
10分くらい歩くと、大きな看板が見えてきた。
「何買うんだっけー?」
「えっとねー」
買い物カゴを持って、一人が持つメモを皆で覗き込む。
「じゃあ俺リストの下から集めるわ。……梨音ちゃん、ついてきてもらっていい?」
そう言って、坂井が素早くメモをケータイのカメラで撮ると、いきなりの状況についていけていない雪岡に笑いかけた。