♯4-side*航-
文化祭の準備は、順調に進んでいた。
当日のシフトもできたし、メニューも試作してみたら結構いい出来だったし、衣装や内装もあとは着るだけ、飾り付けるだけ、の段階で。
必死になって準備を進めていたら、気付いたら事前準備がガッツリ必要な俺たちや3年生だけではなく、学校全体が文化祭一色になる日を迎えていた。
「航、買いだし行くぞー」
「おー」
教室のドアから友哉に呼ばれ、友哉と一緒に教室を出た。
……今日は文化祭前日。
一日授業なしで文化祭の準備に当てられる日だ。
カフェ担当は、今日は教室の飾り付けと、明日・明後日必要になる食材の買いだしだけ。
しかも、午前のうちに飾り付けはほとんど終わったので午後は細かい部分の装飾をする数人以外は買いだしに出ることになっていた。
昼飯を各自とった後、買い出し班は校門前に集合の予定だったが、俺と友哉が行く頃にはすでにみんな集まっていた。