「……」
家の門の前で、手をつないで向かいあったまま沈黙が降りた。
理由はわからないけど、まっすぐ雪岡の顔が見られなくて視線を伏せる。
「……あの……?」
「……じゃあ、行くわ」
つないでいた手を離そうとして、だけどそれを拒むかのように雪岡にキュッと軽く力を入れられて、思わず顔を上げていた。
……やっと目が合った。
とでも言いたげに、雪岡はふわりと笑みを浮かべる。
……また、心臓が音を大きく立てた。
「ほんとに、ありがとう」
「いや……」
「うれしかった」
まっすぐな言葉が胸に刺さる。
……俺は、こんなに弱いのに。
その弱さのせいで、雪岡をおびえさせるほど冷たくしてるのに。
それなのに。