「円ちゃん、今のって・・・」

「ああ。九尾の封印が解けるのも・・・時間の問題かもしれないな・・・」

苦虫を何十匹も噛み潰したような表情の円。

封印が解ける・・・

それは絶対にあってはならないこと。

「でも、今日明日の話ではないんだし。菖蒲ちゃんは自分の力がどんなものなのか知るべきかもね。
僕の力が必要になったらいつでも呼んでよ。光巫女様・・・」

差し出された凪の手を握り返そうとした菖蒲の腕を、無言で下げた円の表情が少し不機嫌で、苦笑するしかなかった。