「おやめください、菖蒲様。もう海は、九尾の手下に成り下がってしまった」


「風・・・」


「菖蒲様、円様。ここは私が。先にお進みください」


「でも・・・」


「安心してくださりませ。すぐに後を追いますから」


 円に目で伝える。


 心配いらない・・・と。


「菖蒲、行くぞ」


 菖蒲の手を引き、走り出す円。


 一度だけ振り返った菖蒲に、風は微笑を向けた。