「俺にはお前が必要だ。だから-----ずっと側にいてくれ-----」


「はい」


(菖蒲様・・・ 円様・・・)


 やはりあの二人は結ばれる運命だったのだ。自分の小さな思いなど、心に閉まっていて正解だった。


 幸せそうな二人。


 あの二人ならもう一度九尾を封印してくれるはずだ。


「見つけましたよ。菖蒲様、円様・・・」


 気配を消し、いつの間にか背後にいた海。礼儀正しく一礼する姿は何も変わっていないのに、表情は、暗い。


「海・・・・」


 菖蒲を背にかばい、円が一歩前に出る。