月が円を描く。
そっと水面に映る月も時より曲線を描く。
これは何千年という月日が流れようと変わりはしないのだろう。
今でも月の光は苦手だ。
幾度となくこの手で破壊しようとしたが、それも叶わなかった。
「お前は、この月を見上げてばかりだったな・・・」
いつもその頬は涙に濡れていた。
それを拭うのは、自分の役目なのだと思っていた。
頬にかかる横髪をそっと指に絡める。
そのまま目元に触れてやれば、目を魅かれる笑顔になる。
「妖怪と人間など、分かり合えるはずはなかった」
恋慕など微塵もない。あるのは憎しみへの執着だけだ。
「お前に似ている月など・・・」
(お前のいないこの時間など・・・)
そっと水面に映る月も時より曲線を描く。
これは何千年という月日が流れようと変わりはしないのだろう。
今でも月の光は苦手だ。
幾度となくこの手で破壊しようとしたが、それも叶わなかった。
「お前は、この月を見上げてばかりだったな・・・」
いつもその頬は涙に濡れていた。
それを拭うのは、自分の役目なのだと思っていた。
頬にかかる横髪をそっと指に絡める。
そのまま目元に触れてやれば、目を魅かれる笑顔になる。
「妖怪と人間など、分かり合えるはずはなかった」
恋慕など微塵もない。あるのは憎しみへの執着だけだ。
「お前に似ている月など・・・」
(お前のいないこの時間など・・・)