「誰っ?なんであたしの部屋にいるの?」

青年は、 普通の格好ではなかった。

烏帽子こそかぶっていないものの、姿形は平安貴族を思わせるような出で立ちだった。

この時代には不釣り合いすぎるため、何か特別な力を持っているのだろうと予測する。

「俺の名は、海(カイ)。東峰院家十七代目当主 東峰院 円様に仕える言霊師(コトダマシ)です」

東峰院・・・ 何処かで聞いたことのある名だと考える。