「して、お前はまんまと神具を奪われた、と・・・」


御簾一枚隔てている先には、少女のような人影が見える。ここは強力な結界で厳重に護られている場所。この世界を束ねる影五人衆でさえ、侵入を拒まれる場所。


西園寺家当主である凪でさえ、こうして話すことは禁じられていた。けれど、事は急を要する。九尾の封印が今まさに解かれようとしているのだから。


「申し訳ありません。まさか、海に裏切られるとは予想外で・・・」


凪はことの全てを目の前の幼女に話した。これから、自分たちはどうすればいいか、知恵を借りるつもりなのだ。