信じていたのに、その言葉を口にする力が菖蒲には無くただ、涙を浮かべながら海を見つめることしか出来なかった。


「菖蒲ちゃんっ!海、それはっ!」


「くくくっ!海、よくぞ見つけましたね。これで主様が復活なさる・・・この世界の終焉だ」


「逃がすかっ!」


海が素早く言霊を紡ぐ。凪達の動きが止まる。


「海、貴様っ!」


「もう、戻れないのです。俺は・・・」


そのまま、柊花と海が一瞬にして消える。


その場には、何もなかったかのような静けさが残るだけだった。