「それは、お姉ちゃんが神具を壊すために探してるって思ってるの?」


「可能性の話です。気を悪くなされたのなら謝ります・・・けれど、今のこの状況は、至極危険な状況なのはご理解いただかないと・・・」


「そう・・・だけど・・・」


「それに、菖蒲様が光巫女としての資格を失ってしまう可能性がありますのよ?」


神具といい、今朝の夢といい・・・


菖蒲の心に渦巻く不安は、どんどん大きくなっていく。


「まぁ、二人とも。そんなに朝から不安を煽るようなこと言っちゃダメだよ。
この件に関しては棗と阿紺に探らせるから、安心して。
さぁ、もう学校だし、この話はおしまい」


菖蒲のことを気遣ってか、いつも以上に明るく振る舞う凪に、微笑み返すことしかできない自分が歯がゆかった。