「俺たちが東峰院家から追い出された日、見てしまったんです。桜様が・・・神具を探しているところを」

「お姉ちゃんが?」


「本来であれば、あれは九尾の封印を強める役割があるだけ。ですが・・・」


いつも感情を表に出さないはずの海が、少し表情を崩している。菖蒲が予測するに、あまりいい話ではないような気がする。


「それが、完全になくなってしまったら・・・九尾の封印は完璧に解けてしまう」