朝食を済ませ玄関に向かえば、凪と棗が菖蒲達を待っていた。


今までこんなに大勢で登校したことがない菖蒲は、なんとなく嬉しかった。


「菖蒲様、そういえば神具はどうされました?」


「神具?東峰院家にあるんじゃないの?あたし、出て行く時は自分の荷物しか持ち出さなかったよ?今のあたしには使い用がないし・・・」


というよりは、そんな神聖なものを自分が持ち出していいはずがないのだ。


風と菖蒲の会話を見ているだけだった海が、こう続ける。