「席は南川の後ろが空いてるな。二人ともそこに座れ」


「はーい」


どうしてよりによって自分の席の後ろが二つも空いているのか。

菖蒲の後ろには凪、右後ろには棗が席に着く。

後ろから感じる二人の視線。とてもいたたまれない。


「よろしくね、菖蒲ちゃん」


わざと菖蒲の耳元で囁くように呟くと、そっと後ろ髪に触れる。