「え・・・?」

抱えていた神具が更に輝きを増した。

三つの神具が菖蒲の腕から離れて行き、宙を舞った。

《なんだっ? この輝きは・・・?》

『光巫女の血を継ぐ者・・・ 私の名は十二神将が長、天一(テンイツ)』

「え?今度は誰? 天一って・・・?」

まただ。

心に直接響く透き通った声。

今までに聞いたことのない女の声もまた、”人ならざる者”なんだと確信する。

それに、九尾にこの女の声は聞こえていないのだから、さらに菖蒲は混乱する。