「それでさ、菖蒲ちゃん。君に確認しておきたいことがあるんだ」


「何でしょう?」


「君は、これからどうするつもり? 円の所から離れるつもり?」


「・・・あたしは、お姉ちゃんの代わりに東峰院家に行ったんです。だから・・・」


「僕が聞きたいのはそんなことじゃないんだ。君の本当の気持ちを聞きたい。
気持ちって、言葉にしないとその力を発揮しないんだ」


瞳をそっと閉じて、儚く問いかける凪。心の内に秘めた気持ちをすべて見透かされてしまっているような、そんな気恥ずかしい気分になってしまう。