けれども、この状況でデートなんて出来るわけないのに何を考えているのだろうか?


疑問の視線を向けると、凪はそっと菖蒲を引き寄せて耳元でこう囁いた。


「今、君はここにいるべきじゃない。菖蒲ちゃんが菖蒲ちゃんのままでいられる方法は、それしかない。
だから今は、僕のいうこと聞いてくれるかな?」


「菖蒲、行ってらっしゃいな。私は円と話があるから、帰ってきてからこれからのことを話し合いましょう?」


桜からそう言われてしまったら、従うしかない。


「わかった。また後でね。お姉ちゃん」