「物の怪には大きく分けて二種類ございます。一つは九十九神(ツクモガミ)のように長く生きたもの、長く使われたものなどに神が宿った物の怪。
もう一つが、人や自然に禍を齎(もたら)してしまう、いわゆる妖怪と呼ばれる物の怪の二種類です」


座敷童子や式神のような存在は前者に含まれる。もちろん九尾の存在は後者。


「この結界は、人々に幸を齎すものは簡単に通れてしまうものですの。けれど、その者達すら姿をくらませている。
これは、何かの前触れではないかと・・・」


「九尾の封印に何か良くないことが起こってるってこと?」


「・・・円様も凪様も何もしていないわけではないはずですのに・・・封印が強化された傾向が一切見られない。
そんなことありえるはずないのに・・・」