「えっ!? ちょっと勝手に心の中を読まないでよっ!!!」

「失礼いたしました」

いつもの一礼をするけれど、そんなことは菖蒲にはどうでも良かった。

あの言い回しだと、風は気づいていなかったとしても海は知っているということではないか。

一気に顔が林檎の様に赤くなる。