身体には異常はないと主張した菖蒲だが、円・凪・海の三人に休んでいろとすごまれてしまったので仕方なく寝床に就く。

けれど、なんだろうか。鼓動が高鳴りすぎて眠れそうにない。

自分の身に起きたことが解決しただけではないような気がしていた。

「・・・日影様の奥さん、羨ましいなぁ。亡くなったあとでもあんなに愛されてる・・・」

そんなことを考えていたら、ふと頭の中に浮かんできたのは、円の優しい笑顔だった。