「貴方はっ・・・日影・・・様?」

この世の理を司る影五人衆。

東峰院家・西園寺家・南川家。この三家を束ねている者たち。

その中の一人が、日影という人物だった。

「くっ・・・これまでかっ!」

「逃すものか。貴方にはまだ、聞きたいことがある。
貴方ほどの人がなぜ、巫女にこのようなことをするのですっ!巫女を守るのも、貴方たちの役目だったはずだっ!」

円は声を絞り出す。目の前にいる人物が術者だという考えがなかったわけではない。

これほどの術を使いこなせるものなど、限られているからだ。