森を進んだ先は、やはり予想通りの場所に出た。

瘴気が膨らんでいるのが夢の中だというのに、身体中に感じる。

修行を積み、最強の封魔師と呼ばれた円でも立っているのがやっとな状況だ。

「菖蒲ーっ!どこだっ!?」

「円・・・助けてっ!」

目を凝らすと、九尾の爪が菖蒲の喉元に突きつけられているところだった。

神具が光を失い封印が解け、九尾は力を取り戻していた。

これが大妖怪、九尾の狐・・・