「封魔師として、迷うということは命取りだとお爺様に言われたはずよ?円・・・」

気づけば桜の顔が目の前にあった。それは刹那の瞬間。急いで間合いを取るが、さらに桜は近づいてくる。

「菖蒲に呪をかけたのは私じゃないわ。可愛い妹ですもの。
ここにいるのは、迷ってしまったのよ。この半年の間、私は地の底にいた・・・ 現実から逃げ出した結果、ここにたどり着いた・・・」

「お前の力なら、ここから抜け出すことなど簡単だっただろう?」

「抜け出して、私はどこに行けばいいの?南川の家に戻ったところで、私の出来る事なんて何もない・・・
光巫女の資格がない私の居場所なんて何処にもないの・・・」

涙を流しながら叫ぶ桜は、全てに絶望している。