「円ちゃん、こっちのほうは準備万端だからいつでもいいよ。それにしても残念だな。僕の手で巫女様を助けてあげられないなんてさ」

凪は札を構え、静かに何かを唱える。

菖蒲が眠っている場所の下に円陣が現れ、その空間を完全に遮った。

西園寺家は代々、様々な結界を操る。 空間を遮るもの、敵を蹴散らすもの・・・

西園寺家当主の中でも凪は、すべての結界を、いくつも作り出せる天才なのだ。