「菖蒲、入るぞ?」

顔色も悪く、修行どころではないと風に叱られてしまい、仕方なく自室に引きこもっていた。

「どうぞ」

「体調が悪いと聞いたのだが、大事ないか?」

優しく声をかけてくれるだけで、こんなにも気持ちが楽になるなんてことがあるのだろうか?

「・・・夢を見るんだ。この間、悪夢に魘されてたでしょ?それを、毎日はっきりと・・・」

「・・・あの時は聞きそびれてしまったが、どういった夢だ?」