香山『 僕は 、 華哀事務所の 香山 、
と云う者です 。』


然う云い乍 がさがさ と

財布から名刺を出して私に渡そうとする彼 。


大してかっこいいって訳じゃない 。
何か 、 中肉中背 って感じ 。
額から汗が垂れてるし 、
生理的に苦手なタイプかも


とか思ってたら


香山 『 あはは ッ 、 大丈夫だよ 。
そういう卑しい事務所じゃないからさ 、
あれだよ 、 芸能人とか居る事務所 』


淡々と汗をハンカチで拭き乍
笑って話す香山さん 。


理央 『 あの 、 スカウト ですか .. ? 』


今更こんな事聞くのも可笑しい 。
そんな事判ってるけど
やっぱ信じられなくて 。


そんな私を見て
目を丸くした香山さん 。

けど直ぐに 叉 、
はは ッ て声出して笑った 。


香山 『 然う然う 。 スカウトだよ 。
でもちょっと変わってるかな 、
君がもし入って呉れるなら
次の日には記者会見開く予定 。
理央ちゃん 、 だったかな ?
入る子と一緒にデビューする相手も決まってる 。
要するに次入る子はユニットデビューする子 。
其れは決定事項なんだ 。
その入る子に僕は君を選んだ 』


ユニットデビュー 、 とか
君を選んだ 、 とか
かっこいい言葉云われちゃえば
きっと 皆 、 思うはず


理央 『 ... やってみたいです 』


と 。