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ぼんやりと暗い世界を眺めた。
この戦いの先には平和があると教えてくれた女の顔を思い浮かべる。
16,7歳ほどの女だった。
戦いを知らないと言う顔はあどけなく、長門さんの隣にいるには相応しくない女だったが、お似合いだと思った。
長門さんが女に惹かれているのは、なんとなく分かった。
(あの長門さんが、ねぇ。)
誰よりも戦艦らしいと思っていた長門さんが恋をする。
(誰よりも、人らしくなったよなぁ。)
思わず、笑う。
真面目な話、俺はどうして生まれたのかと思っていた。
戦うことに意味があるのかと問い続けていた。
その疑問とは裏腹に、訓練に励む日々。