「………須藤、すまない。」
「わたしこそ…っ、すみません。」
「運命に従うしか、ないんだ。それが俺の生き方だ。霧島も、他の戦艦も、覚悟している。」
わたしが理解できないのは当たり前なのだ。
生き方が違うのだから。
わたしも長門さんも、その生き方しか知らないのだ。
戦争も平和も、結局、偏った考えしか与えない。
どちらが、悪だとか善などと言い切ることはできない。
それは、双方に、様々な人の生き方を孕んでいるからで。
どちらかを否定してしまったら、そこに生きた人をも否定してしまうことになってしまうのではないか。
戦争はやってはいけないこと。
そういう認識がある。
確かに戦争をやってはいけないことだ。
だけど、実際にそうやって生きた人がいて、それを信じて疑わなかった人もいる。
同じ時代に生まれていたら。
同じ存在、だったなら。
わたしと長門さんも、同じ世界を見れただろう。