「俺はお前を知りたいんだ。」
「は、はいっ。わたしなんかでよければ!」
「俺の前では、ありのままの須藤でいてくれないか…?」


するりと髪を絡め取られ、慌てる。
展開が早すぎて上手く思考が回らない。

多分、多分だけど、長門さんは酔っている。
そうじゃなければ、硬派の象徴のような長門さんがこんなこと言うはずないし、こんなことしないはず。


「…よ、酔ってます?」
「いや、大丈夫だ。」


顔が赤いとか、そういうのはないけど、あんなにお酒を飲んだんだから、酔わないはずがない。


「そろそろ、お酒やめましょう!」


これ以上、いつもの長門さんではなくなったら、わたしは耐えられない。
わたしの心臓は悲鳴を上げるだろう。


「須藤、俺は…、……。」


また何かを話し出したと思ったら、すぐに規則正しい寝息が聞こえてきた。
最後になんて言おうとしたかは分からないけど、寝てくれて助かった。
おかけで、わたしの心臓は助かった。