「お前は、…いつになれば、俺に心を開くんだ。」
「…え?」
「俺には、お前が俺との間に一線引いている気がしてならん。」
そんなつもりはなかった。
「…すまない、戯れ言だ。俺は人ではないから、一線引かれるのも分かるしな。」
そんな困った顔するな。
そう言う長門さんの顔は、いつもと変わらないように見えて、悲しそうだった。
“人ではない”
長門さんは戦艦だから。
けれど、わたしは彼を人間ではないと思ったことは一度もない。
乗組員さんとは違うとは思うが、それは長門さんが放つオーラが、だ。
威厳があって、誰より軍人さんらしくて、みんなから慕われていて。
とても頼りになる人だ。
「…長門さんは乗組員さんに慕われているから、わたしなんかが仲良くしていい人じゃないなって思うんです。って、こう思っているから一線引いてるって、思われちゃうんですかね…。わたし、長門さんが人じゃないなんて、思ったことありませんよ。」
「、須藤、」