どうにも照れ臭くなって、帽子を深く被り直しながら云う。 俺がここまで誰か、しかも女に構うなど、今までなかった。 三笠殿に「執着」と表現されたが、あながち間違っていないのかもしれない。 だが、それは、希望であるから。 未来であるから。 それ以上の何者でもないし、何者であってもいけないのだ。 * * * * *