「…須藤、霧島と話をしてくれて感謝する。ありがとう。」
他の誰かでは、霧島に答えを見付けさせることはできなかった。
須藤だからできたんだ。
未来を知っている、須藤だから。
「では、そろそろフネに戻るか。」
「じゃあ俺は帰るよ。またね、長門さん。」
「私も退散しようかね。」
三笠殿、霧島がそれぞれが帰っていく後ろ姿を見届る。
三笠殿は内陸のほうへ、霧島は海のほうへ帰っていった。
「さあ、俺達も戻るぞ。」
「あの、わたし、まだ長門さんのところにいてもいいんですか…?」
「何を云っているんだ、当たり前だろう。」
「で、でも、ご迷惑じゃ……。」
「初めに、『ご迷惑おかけします』って云われていたからな。覚悟はできていた。…というのは冗談だ。迷惑だと思ったことは一度もない。」