「……って俺はいったい何を考えているんだ。」
「どうしたんだい、長門。」
「いや、なんでもない。雑念だ。」
これではまるで。
ふと湧いて出た考えを飲み込んだ。
俺は、戦艦。
国を守り、未来の平和へ繋げていく。
それが役目だ。
「…長門さん? あの、話終わりました。」
「! あ、ああ、そうか。霧島とは和解できたか?」
思考を支配していた須藤がいきなり目の前に現れて、平常心を失う。
それを取り繕うように、帽子を被り直した。
「和解…、できたんでしょうか。」
「できたんじゃない?」
「だそうです!」
纏う空気が、先ほどより澄んだ霧島を見て、どうやら上手くいったようだと安心する。