* * * * *
須藤と霧島が話をしている。
話の内容は分かっているのに、なんとなく二人が気になって耳を傾けてしまう。
盗み聞きの趣味はないというのに。
「…二人が気になるかい?」
図星をつかれ息を飲むが、いたって普通を装った。
三笠殿のことだから、普通を装ったところで考えていることなど見透かされているのだろうが。
「私は驚いたよ。お前が一人の女の子に執着するなんて。」
口元に笑みを浮かべ、心底楽しそうに三笠殿は笑った。
「執着ではない。須藤は俺の希望なんだ。あいつの存在で俺は戦う意味を知った。」
未来があるから、戦える。
この先に、平和な時代が訪れるから。
守りたい、受け継ぎたい、この日本を、ずっと。