聞いてほしいと言われたものの、なかなか霧島さんは言葉をくれようとしない。
何か言いにくいことなのか、それともただ言いたくないのか。

ただ、一つ言えることは、彼からはわたしを敵視するような雰囲気が感じられないということ。



「…………お前が未来から来たことを長門さんから聞いた。」


霧島さんはゆっくり話し始めた。


「お前に聞きたいんだ、未来は、どうなっているのか。」


未来。
そのワードを聞いて、一瞬、意識だけが現代に帰ったような気がした。
意識を手繰り寄せて、答えを告げる。

わたしの世界、帰りたいと願う世界。


「霧島さん達のおかげで、未来の日本は平和です。日本はもう争わないと憲法で定めました。わたしがこうして生きてこられたのも、霧島さん達が国を守ってくれたからですよ。」


彼の聞きたい答えを、わたしは返せただろうか。