走って、走って、とにかく走って。 気がつけば人気のない広場のようなところに来ていた。 どうして長門さんの迷惑を考えられなかったのだろう。 この時代において、わたしのような存在は足手まといにしかならないのに。 「…っふぇ、帰りたいよぉ…っ、」 帰りたい、平成に。 「ぅう…っ、く、」 涙は、じんわりと緑に溶けていく。 泣いてもどうにもならないけれど、今は泣きたい。 「どうしたんだい、お嬢さん。」