どうして長門さんが酒の場にわたしを誘ったのか分からないが、誘われたことは素直に嬉しかった。
フネの上ではないこの環境で、ひとりで夜を過ごすのは心細かったから。
わたしはフネの上しか知らないから。
そう考えると、この時代でのわたしの
居場所は長門さんなんだと実感させられた。
「…須藤? 大丈夫か?」
「す、すみません。ぼーっとしてました。」
「…迷子になるなよ。」
「なりませんよっ!」
多分迷子になっても長門さんを見つけ出せる気がする。
長門さんは長身で、道行く人に比べると、かなり大きい。
この頃は平均身長も現代ほどなかったはずだから、180センチありそうな長門さんの身長は目印になるのだ。
現代でも180センチは大きいほうだ。
「長門さんって、身長ありますよね。」
「身長? 他の戦艦…、軍艦も大体俺くらいあるぞ。まあ、乗組員達と比べたら大きく見えるだろうな。」
「いいですねえ。わたし一昨年くらいから伸びるの止まってしまって。」
今も伸びる気配はなく、 155センチほど。