「…任務ですか? でも、女の人は軍人になれないんじゃ…。」
さっき長門さん自身が言っていたはず。
女人は軍人になれない、と。
長門さんは、考えるような仕草を見せ、口を開いた。
「俺の名前は長門と云ったが、正式には長門型戦艦一番艦長門なんだ。」
「長門型、戦艦…?」
「そして妹は陸奥。長門型戦艦二番艦陸奥という。」
「どういうことですか…?」
「今、俺達が乗っているのは戦艦長門だ。そしてこのフネそのものが俺。俺はこの戦艦長門の心なんだ。」
戦艦の心。
聞き覚えのない言葉に首を傾げる。
「陸奥が女なのにフネに乗っているのは、あいつも戦艦の心だからだ。戦艦と共に生きていく宿命なんだ。」