優芽ちゃんと歩く商店街も、通い慣れた通学路も、当たり前で懐かしい。
「光樹じゃん。久しぶり~。」
優芽ちゃんが誰かに話しかけた。
光樹と呼ばれたその人は、いかにも不良という外見をしていた。
優芽ちゃんも、なかなか派手だからこういう知り合いがいるんだろう。
ボタン全開の学ランから覗く派手なシャツが眩しい。
「よっ! 優芽にも友達いたんだな!」
「何それ失礼よ!」
その人の外見も手伝って、横にいる人がとても真面目そうに見えた。
第二ボタンまで開けているが、髪は真っ黒で短い。
スマホを弄っていて、うつ向いているから顔はよく見えない。